獣医師 直良拓朗(なおら たくろう) 先生
私は獣医師として一番最初に従事してきたのが「動物夜間救急診療」です。大切な家族が急性症状を発したり、中にはお別れをしなければならない時もたくさんあるような現場です。わんちゃんねこちゃん意外にも、鳥類、爬虫類、魚類など何十種類の動物がやってきます。そして、5年間で3000症例以上を診てきて感じたことがあります。
それは、8割の症例は何かしらの予防ができていたはずという悔しさと希望です。
そこで「救急医療」とは真逆なのかもしれない「予防医療」の分野を研究、探究、実践するようになりました。
人の予防医学は近年の健康志向により進んできていますが、動物の予防医学はまだまだ認知も研究も発展しているとは言い難い状況。
しかし、動物は人間よりも不調を伝えづらいし、わかりづらいので、気づいた時には手遅れになりやすいのです。
健康促進、早期発見、動物にはこの両方の予防が家族としてすごく大切なのです。
「動物病院」にできなくて「ペットサロン」にできること。その一つが日頃の予防医学の提供にあると思っています。なぜなら、健康な時から通っている場所はペットサロンだからです。人間世界でいうと美容室。
美容室には予防医学はなかなか取り入れられていませんよね。なぜなら「健康」よりも「美容」を扱うからです。
しかし本質的な「美容」は「健康」からです。
身体・感情・精神の健康をケアして動物や家族の健康を見守りケアできる「おかあさん」のようなサロンを追求するお手伝いができたら幸いです。